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簡易課税制度とは?複数事業の計算方法も詳しく解説します!

簡易課税制度は消費税の計算に利用する制度です。納付する消費税を「みなし仕入率」を使って一定のルールで按分計算して納税します。この記事では簡易課税の計算方法を詳しく解説します。

消費税の仕組み

簡易課税制度の説明する前におおもととなる消費税の仕組みについて確認しましょう。消費税は他の税金とちがい利益に課税されるものではありません。「売上に係る消費税」と「仕入れに係る消費税」の差額を納める仕組みです。消費者が負担した消費税を図のように各事業者が納付することで二重課税を防いでいます。

消費税及び地方消費税の負担と流れ

引用:国税庁|消費税及び地方消費税の負担と納付の流れ

実務では売上に係る消費税を「仮受消費税」勘定(預り消費税勘定の場合もあり)、仕入れに係る消費税を「仮払消費税」勘定で処理します。課税期間の試算表の勘定残高をもとに次のように納付額を算出します。

仮受消費税 - 仮払消費税 = 納付額

簡易課税制度の仕組み

消費税の計算過程で仮払消費税を仮受消費税から差し引くことを「仕入税額控除」といいます。簡易課税制度では仕入税額控除を仮払消費税額ではなく、課税売上高に係る消費税に「みなし仕入率」をかけて計算します。
みなし仕入率は業種別に6種類に分類されています。

※第三種事業の「農業・林業・漁業」のうち「飲食料品の譲渡」に係る事業区分は第二種事業と判断します。
みなし仕入率を用いた消費税の納付額は次のように計算します。

売上に係る消費税 - (売上に係る消費税 × みなし仕入率 ) = 納付額

簡易課税では納付額をこのように計算するため、売上に係る消費税(仮受消費税)のみわかればよく、仕入れに係る消費税(仮払消費税)の計算は不要です。

簡易課税の計算のポイント

TAXと電卓

会社によっては種類のことなる複数の事業を展開していることがあります。その場合は事業種別に仕入税額控除額を計算して消費税額を算出します。複数の事業を展開する企業の仕入税額控除額の計算は事業種別の売上割合がポイントです。

複数の事業がある場合の仕入税額控除額は、下の図のように事業別の消費税額と控除額を計算し合計を算出します。

複数事業の簡易課税計算式

引用:国税庁|消費税のあらまし

計算式をみただけでも計算方法が煩雑で手間がかかりそうですね。みなし仕入率を使う仕入控除額の計算にも簡易の計算ルールがありますのでご紹介しましょう。

2つの事業売上がある場合で主たる事業が課税売上の75%以上を占めていれば、全体を主たる事業の売上とみなし仕入税額控除額を計算することができます。

例えば、第一種事業の卸売業の売上に係る消費税が1,000円、第二種事業の直営店販売の売上に係る消費税が200円ならば、売上に係る消費税合計1,200円は第一種事業の売上に係る消費税として仕入税額控除額を計算できるのです。

例の場合ですと次のように計算します。
( 売上に係る消費税1,200円 × 第一種事業のみなし仕入率90% ) = 仕入税額控除額1,080円

また、3種類以上の事業を営む会社で上位2事業の売上計が全体の75%以上であれば算出方法は、

  1. 最上位の業種は該当する事業種のみなし仕入率で計算
  2. 2位以下の事業はすべて2位の事業種のみなし仕入率で計算
  3. ①②を合算して全体の仕入税額控除額とします。

3事業以上の仕入税額控除額の計算

引用:国税庁|消費税のあらまし

会社によっては事業の種類ごとに売上を管理していないこともあるでしょう。事業別の売上割合がわからなければ一番低いみなし仕入率を使って計算することになっています。

第二種事業と第三種事業の売上がある場合を例に、売上区分処理をしている場合としていない場合の消費税額を計算してみましょう。

事業別売上管理していない場合の計算

引用:国税庁|消費税のあらまし

売上割合を第二種70%・第三種30%と仮定すると、計算例ように仕入税額控除額に差がでて消費税の納付額がかわってきます。例にあげた計算の数字が小さいので実感しにくいかもいれませんが、単位を万円と考えると7万円の差額です。

同条件でみなし仕入率の差が最大の第一種事業(みなし仕入率90%)と第六種事業(みなし仕入率40%)で考えると納付税額は35万円もかわってきます。

区分処理していないだけで簡易課税のメリットを享受できない可能性がありますので注意しましょう。

簡易課税制度を選択するためには?

簡易課税制度についてご説明してきましたが利用するには要件があります。手続とあわせて確認しましょう。

簡易課税制度の要件

(1) 前々年度(課税期間2期前)の売上が5,000万円(税抜き)以下であること
(2) 2019年10月からスタートした区分経理に対応し、消費税率がわかるように帳簿及び区分記載請求書等を保存していること(仕入税額控除の適用要件です)
(3) 適用を受けようとする課税期間開始の前日までに管轄税務署に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していること

「消費税簡易課税制度選択届出書」の様式はこちらの国税庁のサイトからダウンロードできます。

(3)の提出期限には特例があり、2019年10月1日から2020年9月30日の課税期間については課税期間中に後追いで届出しても簡易課税制度を適用することができます。

簡易課税制度を選択する場合の注意点は、売上に係る消費税より仕入れに係る消費税の方が大きくなった場合でも消費税の還付を受けられないことです。簡易課税制度を選択すると2年間は変更できません。設備投資などを計画している場合は気を付けましょう。

まとめ

消費税の簡易課税制度は仕入れに係る消費税額の計算が不要です。簡易課税の計算は理解すれば難しい方法ではありません。売上に係る消費税を事業種別に集計できれば消費税の申告作業の負担も軽減できますよ。


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